今回読んだのは、「10歳から知っておきたい「自分で決める力」の伸ばし方」。
インバスケットを研究している会社の代表、鳥原隆志(とりはらたかし)先生の著書です。
- タイトル
10歳から知っておきたい「自分で決める力」の伸ばし方
- 著者
鳥原 隆志
- 出版
日本能率協会マネジメントセンター
- ページ数
160ページ
大人向けのインバスケットに関する本は多数ありますが、なんとこちらは日本ではじめての「子ども向けインバスケットの本」だそうです。
うちの子も「決める」ということに関しては特に苦手な傾向があるので、気になって読んでみました。
子どもにも読んでもらいましたが、すぐに効果が表れるというような本ではないと思います。
何度もトライアンドエラーを繰り返し、生きていく中で身につけていく、というようなテーマだと感じています。
- 「決める」ことが苦手
- 自分の判断に自信がない
- 広い視野を持ちたい
インバスケットとは
まず、この本のテーマでもある「インバスケット」についてお話をしたいと思います。
インバスケットとう言葉を聞いたことはあるでしょうか?
大人向けのビジネス書だったり、仕事においてよく使われることが多いので、子育て関連ではあまり馴染みがないですよね。
インバスケットとはシュミレーションゲームのようなもので、例題として出題されたものに対して、いかに素早く、より良い判断を出せるかという訓練です。
この本では、覚えたことや習ったことを「できる」に変えるゲームと言っていました。
テーマである「自分で決める」判断力を養うための練習と思ってもらえればいいと思います。
インバスケットに正解はない
最初に確認しておきたいのは、判断(決めたこと)に正解はない、ということです。
重要なのは「正しい決め方」。
決める方法を身につけることが、いちばん大事だということです。
正しい選択肢を選ぶためには、正しい決め方をしないといけない。
インバスケットで大事なことは、「決める」に正解はないけれど、「決め方はある」ということですね。
この本は「決め方」つまり、物事をどうやって決めていったらいいかを導いてくれる。
そんな本だと解釈しています。
主人公になりきって、クエストを解決
本の対象年齢ですが、「10歳から〜」とあるように、小学生にしては少し難しいテーマを扱っているので小学校高学年ぐらいの子におすすめです。
ちなみに本の主人公は小学校6年生の男の子。
読者層と同年代になっているので、より身近に感じられるかなと思います。
男の子が日常生活で起こる14のクエストを解決していくストーリー。
読者は主人公になりきってクエストに臨みます。
各クエストを解決していく際には、こういうときはこうする、というアドバイスが詳しく載っています。
アドバイスの一例としては「優先順位をつける」「取捨選択をする」などが。
また「選択肢をつくるときは4つまで」のような具体的なアドバイスには、この本に限らず行動心理学でよく言われていることも学べたりと、かなり本格的な内容になっていると感じました。
単色カラー(水色)で読みやすく、クエストは漫画になっているので理解しやすいです。
クエストに沿って決め方を学び、結果的に判断力がついていくといったゲーム感覚で学ぶことができる仕様になっていました。
目標は「自分で決める」ができること
自分で決めることができると、どんないいことがあるでしょうか?
逆に、自分で決められないとなにが困るでしょうか?
自分に有利に物事をすすめられる?
迷っているうちにチャンスを逃してしまった?
一度じっくり考えてみることをおすすめします。
決める力は生きていく上で一生ついて回るものです。
自分で決めることができると、メリットがいっぱいあるのではないでしょうか。
今回読んだ本は、自分にとっての正解を導きだすサポートツールとして活躍してくれるかと思います。
対象年齢は小学生とお伝えしましたが、大人が読んでもとてもためになります。
私自身こういった類の本が好きでよく読んだりしますが、今回とても良い本に出会えて嬉しかったです。
自信を持っておすすめしたい本なので、興味のあるかたはお手にとってみてはいかがでしょうか。